Webブラウザからサーバサイドへ~注目されるWebAssembly~
ブラウザ上で高速にアプリを実行する仕組みとして、WebAssembly(「Wasm」と省略されることもある)が注目されています。W3C(World Wide Web Consortium)で標準化されていることもあり、2017年ごろには既に主要なブラウザはWebAssemblyをサポートしています。さらに「Zoom」「Google Meet」「Google Earth」「Unity」などでWebAssemblyが利用されています。
WebAssemblyはブラウザ上でコードを高速に動かす仕組みとして登場しましたが、ホスト上でも動作するようになってきており、GoogleやMicrosoft、Amazon.com、VMware、Intel、Dockerなどが非営利組織「Bytecode Alliance」において、WebAssemblyをホスト上で実行するWebAssemblyランタイムを開発しています。2022年9月には、Bytecode Allianceで開発されているWebAssemblyランタイム「Wasmtime」のバージョン1.0がリリースされ、話題になりました。
JavaやJavaScriptがブラウザでの利用から始まって、JavaアプリケーションサーバやNode.jsのようにサーバサイドに広がったのと同じように、WebAssemblyもサーバサイドでの動作が徐々にターゲットになってきています。WebAssemblyの調査報告書「The State of WebAssembly 2022」のWebAssemblyの用途別利用者数を見ると(下図)、Webの開発に次いで、サーバレス、コンテナに利用している開発者が多いことが分かります。